「台車」といえば、工場現場・運送・土木・建築などでは頻繁に使用される必須の運搬用具です。しかし、近年では少子高齢化の影響により、各現場の人における人手不足が問題となっており、台車で運ぶなどの運搬作業は生産性を上げるために自動化が求められている。そこで今回は、そのような現場の問題を解決する「搬送型ロボット」のご紹介をしていきます。
導入のメリットや注意点などを踏まえて、これから現場のDX化を図っていきたい企業には見逃せない必須の内容となっています。
建設現場などで活躍する様々な台車

台車と言えば、商業施設や配送業者が使っているイメージを持つ人も多いのではないのでしょうか?建設や工場の現場では、使われる「平床台車」「ガラ箱台車」などの重量運搬物台車があります。こういった台車の活用メリットや課題などを含めてお伝えしていきます。
台車の活用
上記で触れたように、台車の役割は「重量物」を運搬する際に必要な道具となります。例えば、工場現場においては人では持ち運びすることが不可能な高重量の金属類や大型部品。建設・土木現場においては、一般の台車では運搬のできない単管パイプや木材類などがあります。これらを運搬する手段として台車は必要不可欠なモノとなっています。
台車の課題
台車を導入・使用していく際の課題は大きく2つあります。 1つ目は、「重量」によって対応できる台車の種類が変わってくること。特に建設現場や工場現場においては、100キロ以上の重量物を運ぶ事が想定されることもあり、それに対応した台車の選択をすることをお勧めします。 2つ目は、台車には「人」が必ずセットで必要なこと。台車はあくまでも人の力では対応できない重量物を運搬しやすくするサポート的な存在である。ですので、冒頭で述べた少子高齢化が進む日本の工場や建設現場においては、人材不足が運搬作業の効率化を下げている要因であることも事実です。
建設業界のニーズ
建設業界では、長時間労働や人手不足を是正するために「働き方改革」が推し進められており、現場作業や業務管理をいかに自動化・無人化できるかが課題となっています。また、建設現場では、屋外作業や高所作業などの危険作業を伴うため、労働災害がほかの産業に比べて多いのが特徴です。建設業界では、これまで人が行ってきた作業をロボットが代わりに行うことで、作業者の労働環境の改善や生産性の向上を推し進めたいというニーズがあり、大手ゼネコン会社が中心となって積極的に技術開発と現場導入を進めています。
台車の代わりに活躍する搬送ロボットとは?

先ほどお伝えしたように、重量物の運搬作業が伴う建設現場においては、台車が必須となりそれを扱う人手の不足は大きな課題となっています。そこで、昨今注目されているのが、「自動搬送ロボット」です。ここでは、自動搬送ロボットの定義から今後の展望について解説します。
搬送ロボットとは
搬送ロボットとは、物流倉庫・製造工場、建設・土木現場において、部品や材料を搬送・運搬する役割を持ったロボットです。これまで人が作業していた運搬作業を自動化することで、人材不足を補填する事が可能になり生産性が向上します。
今後の展望
昨今では、新型コロナウイルスが生活様式の変化をもたらし、インターネット通販(Eコマース)の利用者が急増したことで、物流の需要が高騰しました。また、土木・建設現場においても、先に述べたような人手不足や作業員の高齢化が進み、運搬作業における身体への負担やケガのリスクが増えているため、搬送ロボットの需要はますます増えるばかりです。 しかしながら、一言に搬送ロボットといっても使用される現場環境によって求められる機能性は大きく異なります。例えば、物流現場ではAGVのような一括管理が可能な自律走行ロボット、建設現場では不整地での走破性能や重量物の積載が重視されます。 今後は、それぞれの使用現場に合わせて開発された領域特化型のロボットが普及することで、作業者の負担が減り、その分ほかのことに労力を割けるようになるため生産性の向上が期待されます。
建設現場に搬送ロボットを導入する3つのメリット

建築・土木現場の人手不足を補う搬送ロボットは、既存の業界の蔓延していた課題を解消することができます。次は、搬送ロボットを導入したときに得られるメリットをご紹介します。
メリット1(人件費削減)
搬送ロボットを導入すると、これまで人が担っていた運搬作業をサポートしてくれる為、複数人でこなしていた作業人数を減らすことが可能になります。つまり、人件費の削減に繋げることができ経営効率も上がること想定されます。
メリット2(従業員の負担軽減)
現場における運搬作業は、高重量物を扱うこともあるため現場作業員の疲労が蓄積する要因となります。また、高齢化が進む建築・土木現場では、運搬中のケガのリスクも想定されるため、現場での安全確保は必要不可欠です。搬送ロボットの導入で、従業員の負担軽減をめざし、運搬作業の効率化を図ることも必要です。労働環境の改善は、勤続可能性を上げることにもなります。
メリット3(重量物を運べる)
人的な運搬よりも、ロボットは高重量物を目的地まで早く安全に効率的に運ぶことが可能になります。機械的な搬送作業の業務効率化は、物流品質の向上につながり最終的に企業の売上に貢献することになります。
搬送ロボットを現場に導入する際の注意点

搬送ロボットを導入する際の注意点は2つあります。
1つ目:導入にコストがかかること
搬送ロボットを導入する目的を明確化し、コストを回収するまでにどれくらいの期間が必要なのかを試算し、検討すると良いでしょう。
2つ目:搬送ロボットを導入する業務を事前に仮説・検証を繰り返すこと
いわゆる、「実証実験」を始めていくこと。搬送ロボットが現場の作業を自動化するシステムは知っていても、それが現場に適応できるかどうかは別問題である。自社の現場に取り入れることが可能か否かの確認はする必要があります。
作業支援ロボット SUPPOTとは?
SUPPOT(サポット)は、重量積載・不整地走行が可能な自律走行ロボットを活用し重筋作業の自働化を促進・導入するサービスです。現在、倉庫・建築の分野でロボットを活用した業務効率化の研究を進めている企業様に向けて、共同研究やサービス提供を行っています。
まとめ
工場や建築・土木現場の運搬作業を自動化する搬送ロボットを導入することで、格段に業務効率化を図ることができ、経営の手助けにもなってくる事でしょう。その反面、導入を検討する際には慎重に自社に導入するメリットやデメリットを考察する必要がある。まずは弊社のように実証実験を積極的に募集している企業に現状の現場の課題を提供することで、搬送ロボットの導入がスムーズに進ませる事が可能です。