現在、国土交通省では「i-Construction(アイ・コンストラクション)」を積極的に推進しています。i-Constructionとは、「ICTの全面的な活用(ICT土工)」によって建設現場の生産性向上を目的としているものです。しかし、「土木の仕事にICTをどのように活用するの?」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、土木とICTについて解説していきます。
土木工事とICTの関係性

土木工事は、地域のインフラを支える重要な役割を担っています。地域のインフラとは、電気・ガス・水道といったライフラインだけではなく、我々が普段何気なく歩いている道路や建築物も全て含んでいるのです。土木工事は、先述した地域のインフラを整備・維持するための工事を日々おこなっています。そのため、土木工事は我々の生活にとって必要不可欠です。そんな我々の生活に密接な関わりを持つ土木工事について、現状やICTとの関係性を解説していきます。
土木工事の現状
土木工事は業界全体に対する投資が増えている一方で、人手不足が大きな課題となっています。土木業界への投資額については、令和元年度に国土交通省が発表した「令和元年度建設投資見通し」によると、投資額の累計は216,700億円となっており、前年比3.4%増の見通しでした。しかし、平成28年に国土交通省が発表した「最近の建設産業と技能労働者をめぐる状況について」によると、建設業界では建設業に従事する約3割が55歳を超えており、その一方で29歳以下の割合が約1割と非常に若年層の割合が低くなっています。この結果から、約10年後には3割の人材が定年を迎えてしまうため、より深刻な人手不足に陥ってしまうでしょう。土木工事では、人手不足を解消するためにも、ICTの導入が求められているのです。
ICT土工
土木工事へのICT導入は生産性向上につながるため、大きな問題となっている人手不足問題の解消にも効果が期待されます。 導入例としては、以下の2つがあげられます。
- ・2次元の図面データを3次元の図面データへ変更
- ・ドローンを活用した3次元測量
それぞれ3次元の取り扱いが可能になったことで、今まで以上に生産性が向上し、労働時間の縮小にもつながりました。 ICT土工は、今後も標準化が進んでいくでしょう。
ICT導入のメリット
土木業界へのICT導入には、大きく2つのメリットがあります。
- ・情報の集約ができる
- ・遠隔地での作業が可能
1つ目は、情報の集約ができることです。情報とは、書面の情報やエクセルなどの電子データ、そしてPDFの情報も全て含まれます。ICTの導入により、システム内に全てのデータ格納が可能となるため、情報を一つの媒体に集約できるのです。情報の集約によって、部内の共有が楽になったり、必要な情報をすぐに利用できます。
2つ目は、遠隔地での作業が可能なことです。今までは、打ち合わせのために遠方から直接相手先へ訪問するのが一般的でした。しかし、ICTを導入することで遠隔地でもオンライン会議が可能となり、移動時間の大幅な短縮につながります。そのほか、ビデオを利用することで遠い場所にいても作業指示ができるメリットもあるのです。
ICT導入への障害

現状、多くの土木現場でICTの導入が進められていません。その原因として主なものが2つあります。 1つ目は、ICTにかけられる予算が少ないことです。大手企業であれば、予算が十分にあるためICTへの投資が十分にできます。しかし、中小企業はICTの導入以外にも、企業の設備投資などにも予算が必要となるため、利益に直結しないICTの導入が後回しになってしまうのです。
2つ目は、作業員の高齢化が進んでいることです。現在、土木業界全体が若手の人材不足となっているため、年齢層の高い作業員が増えています。そのため、ITに疎い人材が増えてしまい、導入しても使いこなせないといった事象が発生しやすいのです。
土木工事へのICT導入に期待される効果

土木工事へのICT導入に期待される効果は、「人手不足解消」と「生産性向上」の大きく2つです。 先述したとおり、土木業界全体の高齢化が進んでおり、数年後には今以上に人手不足の深刻化が想定されます。そこで重要になるのが、業務の効率化を実現することで必要な人材を減らすことです。土木ICTは人がおこなう作業の代わりをしてくれるだけでなく、作業員によるアウトプットの質が一定に近づきます。その結果、安定した業務が可能となるため、導入によって生産性向上につながるでしょう。生産性向上により、今よりも少ない人材で対応できる状況になるため、人手不足問題の解消につながるのです。
人間に替わって作業を行うロボットを探しているならSUPPOTがおすすめ
ここまで土木ICTについて解説してきました。この記事を読んで、土木ICTに興味を持った方も多いでしょう。しかし、何から導入すべきかの判断が難しいもの。そこでおすすめしたいのが、建設現場の生産性向上を目的としたらSUPPOTのロボットです。SUPPOTは車両の入れない狭い道でも運搬作業を可能とし、その他にもあらゆる業務の自動化をサポートする、ロボットレンタルサービスを提供しています。SUPPOTが提供するサービスロボットは、汎用性と高い走破性を兼ね備えていることが特徴です。また、大手ゼネコン様などで実証実験の事例を重ねているため、実績も十分にあります。SUPPOTは現在、自社現場でも活用できるか検討したい企業様方向けに無料テスト走行を開発エンジニア同行で行っているため、興味のある方はテスト走行の利用から検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ
今回は、土木とICTについて解説しました。現在、国土交通省では「i-Construction(アイ・コンストラクション)」の推進に積極的であり、ICT の全面的な活用によって建設現場の生産性向上を目的としています。しかし、企業でICTを導入しようと思っても何から導入すべきか分からない企業も多いでしょう。そこでおすすめしたいのが、比較的低コストで導入ができるSUPPOTの自律走行ロボットです。ロボットの導入により、運搬作業を始めとしたあらゆる業務の効率化につながります。