【今さら聞けない】建設業界におけるKY活動とは?

国土交通省は、建設現場にICTを活用する「i-Construction(アイ・コンストラクション)」を推進しています。ICT活用を中心として規格や施工時期などを標準化させ、2025年度までに建設現場の生産性の2割向上を目指しています。

本記事では、建設現場におけるKY活動を通して、建設現場の最新技術を紹介します。建設現場の労働環境改善を目指す方やi-Construction導入について検討している方は、ぜひご覧ください。

KY活動における「KYK」と「KYT」とは?

「KY」とは、「危険(KIKEN)」「予知(YOCHI)」のイニシャルを取った言葉で、建設現場の日常業務にどのような危険があるのかを認識し、作業者自身が対策を考え、実行することを目的とする自主的な安全活動のことです。

KY活動は、大まかに「KYK(危険予知活動)」と「KYT(危険予知訓練)」に分けられます。本項目ではKY活動における「KYK」と「KYT」について、それぞれ解説します。

「KYK(危険予知活動)」とは

「KYK(危険予知活動)」とは、職場においてKY活動を実践することです。日常業務を行う前にチームミーティングで隠れた危険について短時間で話し合い、対策と行動目標を立て、作業者一人ひとりが危険を回避する行動を実践します。厚生労働省によると、災害の原因は「うっかり」「ぼんやり」「これくらい大丈夫だろう」といった人の不安全行動にかかわるものが大部分です。現場でKYKを実践することで、事故や災害の防止を目指します。

「KYT(危険予知訓練)」とは

「KYT」とは“K危険”“Y予知”“T訓練(トレーニング)”の略語。日頃から危険に対する感受性を鋭くし、集中力を高め、問題解決能力を高める訓練を指します。KYKに必要な手法の習得が目的です。職場や作業の中に隠れている危険要因と、危険要因が引き起こす現象を、講義室でイラストシートを使ったり、現場で実際に作業させたりしながら、チームミーティングで話し合い、危険のポイントや充填実施項目を確認して、KYKに必要な手法を習得します。

ひとりでも出来る!1人KY(危険予知活動・訓練)とは

KY活動はチームの複数人で行うだけでなく、1人で実践することも可能です。ただし、1人KY(危険予知活動・訓練)を行うには、やり方や留意点を把握しておく必要があります。本項目では、1人KYの目的とやり方、留意点を解説します。

1人KYの目的とやり方

「1人KY」は、KY活動で習得した知識に基づき、1人で行うKY活動のことです。単独で作業等を始める前に、1分以下の短い時間をとって、これから始めようとする作業の危険点や注意点を考えます。1人KYを行うことは、「自分の身は自分で守る」という意識を強く持つ機会になります。1人KYを行うタイミングは、作業開始前や作業内容・場所が変わるときなど。作業開始前に持ち場周辺の安全確認や点検項目の指先確認を行い、最後に作業場所の危険要素を1分以下の短い時間で考え、危険回避の行動目標を立て、指差し呼称を行います。1人KYを行う際には、事前に過去の災害・事故の事例などを確認しておくのがおすすめです。

留意点

1人KYを続けていると、活動に慣れてしまい、一つ一つの行動を省略してしまうことがあります。労働災害は「いつもやっているから大丈夫」など、作業に慣れたころにやってしまう不安全行動から起こってしまいがちです。また、慣れたこれには1人KY自体が目的となってしまうこともあります。たとえば、作業前の安全確認が、「床を見ること」という行動が目的になってしまい、床が濡れていることに気づかないことがあるため、注意が必要です。なお、1人KYで危険や不具合等を発見した場合は、報告・改善を行い、安全を確認してから作業を行いましょう。

KY活動で導入されているAI技術とは

KY活動においてもAI技術が導入されています。過去の災害事例をAIで解析することにより、膨大な過去事例の原因や傾向を見られるため、KY活動時の精度向上や効率化を実現しています。本項目ではAIを活用した「危険予知システム」と見える化システム「鹿島セーフナビ」について紹介します。

自然言語処理AIを活用した「危険予知システム」

「危険予知システム」は、前田建設工業株式会社とSOLIZE株式会社が共同開発したシステム。自然言語処理AIを活用したKYの高度化と業務改善を実現しています。現場の作業内容を入力するだけで、関連する「災害事例」を選定可能。さらに災害事例に関連する「予想される危険・安全指示」を提示します。KY活動時に「どのような危険がひそんでいるのか」をタブレットにイラストで示しながら話し合うことで、危険を具体的にイメージした上で作業に取り掛かることが可能です。

見える化システム「鹿島セーフナビ(K-SAFE)」

「鹿島セーフナビ(K-SAFE)」は、鹿島建設株式会社と株式会社UNAIITが共同開発した各種作業の災害事例を見える化するシステム。鹿島が保有する約5,000件の災害事例と、厚労省の「職場あんぜんサイト」に掲載されている約65,000件の災害事例をAIで解析。作業員が該当作業を検索すると、類似作業の災害事例や傾向をグラフで表示します。グラフ表示は災害原因や状況月などへ切り替え可能で、それぞれの災害件数を一目で把握可能です。現場の安全担当者に各種作業の災害事例を多面的に提示できるため、KY活動の精度向上が期待できます。

技術を導入するメリット

国土交通省は、建設現場にICTを活用する「i-Construction(アイ・コンストラクション)」を推進しています。「i-Construction」を導入することで、建設現場の生産性を2025年度までに2割向上させることを目指しています。たとえばAIによる予知保全が実現すると、KY活動の精度向上や作業員の安全確保はもちろん、機器の故障の兆候を予知して機器が壊れる直前に解決することも可能になるため、生産設備の点検やメンテナンスに投じる人的リソースを最小限に抑えられます。建設業においては、労働者不足や生産性等が問題です。ICT等の技術導入は生産性の向上や人不足の軽減、作業効率や安全性向上が可能となるため、問題解決策の1つとして期待できます。

建設現場で自律走行ロボットを導入するならSUPPOTがおすすめ

建設現場で、自立走行ロボットを導入するなら「SUPPOT」がおすすめです。SUPPOTは、建設現場の資材運搬作業をサポートする作業支援ロボットをレンタルできるサービス。SUPPOTが用意しているロボットは、遠隔操縦と作業者の自動追従や2D自動運転、最大100kgまでの重量物積載、悪路・傾斜の走行などが可能です。

たとえば、コンクリート運搬をロボットで行うことにより、作業負担軽減と安全性向上、作業効率向上を実現した事例や照明器具を積載したロボットを作業者に自動追従させ、点検業務の効率化・省人化を実現した事例などがあります。建設現場での資材運搬の効率化や作業者の負担軽減、安全性向上などにお悩みの方は、作業支援ロボットレンタルサービス「SUPPOT」の導入をご検討ください。

まとめ

KY活動を通して建設現場の最新技術を紹介しました。KY活動は建設現場における災害・事故の予防に欠かせない重要な活動です。KY活動にAIなどの最新技術を活用することで、KY活動の効率化や危険予知の精度向上、労働環境改善が期待できます。

KY活動以外にも、最新技術を導入すると、労働生産性の向上や人不足の軽減が可能です。そこでおすすめなのが、作業支援ロボット「SUPPOT」レンタルサービスの利用です。SUPPOTは1ヶ月からレンタル可能なサービスなので、初期費用もかからず無駄なく利用することが可能です。さらにレンタル利用後は電話サポート、保険付帯、故障時即代替対応などのサポートを受けられるので、ロボット初心者の方でも安心して利用できます。

SUPPOTの導入により重い荷物の運搬作業を削減できるため、人件費や労働コストの軽減、生産性の向上などに繋げることができます。SUPPOTの利用を検討されている方は、ぜひ運営会社であるソミックトランスフォーメーションへお問い合わせください。

参考文献

「危険予知訓練|(一財)中小建設業特別教育協会」一般財団法人 中小建設業特別教育会https://www.tokubetu.or.jp/kyk.html

「中災防:危険予知訓練(KYT)とは」中央労働災害防止協会https://www.jisha.or.jp/zerosai/kyt/index.html

「社会福祉施設における安全衛生対~腰痛対策・KY活動~」厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000075092.pdf

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