ロボットを活用した重筋作業の自働化を促進するサービス『SUPPOT』 。今回は、不整地走行や重量物運搬を可能とした自律走行ロボット『SUPPOT』を開発した経緯や、開発者の思いを伺いました。
技術を活かし、お客様に喜んで頂けるものを作りたい
SUPPOTの開発に至るまでの経緯を教えてください。
長坂:自社の主力製品であるボールジョイント、ダンパーに次ぐ第三の柱となる事業創出を行う中で、サービスロボット分野で社会貢献を目指し、ボールジョイント技術を活かした『どこでも車いす』の開発を2013年に開始しました。しかし、安全を担保した品質保証が難しいという理由から開発・商品化を先送りしました。
その後、人工筋肉(2015年)、アクチュエーター(2014~15年)、リハビリ用品(2014~18年)などの開発を行いましたが、どれも事業化には至りませんでした。
そこで、「以前開発した電動車いすで得た技術をサービスロボット分野に活かせないか」と考え、技術を機能に分解し、それら機能に対するニーズ探索を2016年から開始しました。
ニーズ探索を進めていく中で、走破性の高いシャーシはロボット用としてのニーズがあることを把握しました。少子高齢化に伴う労働力不足が社会課題となっている中で、自律走行ロボットは様々な分野での開発が期待されていることもあり、汎用性と走破性に優れた自律走行ロボットの開発がスタートしました。
どのような思いでSUPPOTを開発されていますか?
長坂:「自分の持っている技術を活かし、お客様が欲しいと思うもの、喜んで頂けるものを作りたい」という思いがあります。
前職で自動車の設計を行っており、自身が設計に携わった軽トラックが日本最北端の地や海外で人の役に立っている姿を見て感動した体験があり、それが自分の中でモチベーションとなっています。
お客様が実際にSUPPOTを使っている様子を想像しながら、自身が納得できるものをお客様に提供できるよう、日々開発に取り組んでいます。

SUPPOTを様々な場面で人の役に立つロボットへ
SUPPOTは様々な現場での課題解決が想定できますが、今後解決してみたい課題や現場はありますか?
長坂:例えば、高齢化の進んだ山間部過疎地域では、高齢者の方が自動車を運転しなければならないという現状があります。SUPPOTを活用し、その地域でのモノの移動を支援することで、現状の課題が解決できるのではないかと考えています。
他にも豪雪地域での除雪作業支援や、トラックが走行できないため自転車やリヤカー等の人力で宅配を行っているエリアでの宅配支援など、まずは危険な作業や人が困っている場面での課題解決に繋げたいと思います。
汎用性と走破性の高いSUPPOTの特徴を活かし、様々な場面で人々の役に立つことができれば嬉しいです。
今後の展望を教えてください。
長坂:将来的には自律走行ロボットが世の中で認知されて、様々な場所でSUPPOTが使われるようになってほしいです。SUPPOTが公道を走行しているのが当たり前になり、社会や多くの人々の役に立てれば嬉しいなと思います。

長坂 智
(Satoshi Nagasaka)
昭和44年生まれ
- 株式会社ソミックマネージメントホールディングス
- 先進技術開発部商品開発室 室長
- ※掲載されている企業名・部署名・役職名は、取材時点の情報に基づいています。
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大学卒業後、自動車メーカーで車体設計・開発に携わった後、2005年「ソミック石川」入社。開発者としてダンパーの開発・拡販活動に携わる。その後、「人の役に立つ製品を作りたい」という思いを持ち、研究開発部にて電動車椅子を開発。2019年「株式会社ソミックマネージメントホールディングス」出向。電動車椅子の技術を活かし、現在の自律走行ロボット「SUPPOT」を開発。
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