【浜松倉庫 中山社長 × ソミックトランスフォーメーション 石川 特別対談(全4回)】
- 第1回:【危機感と挑戦】迫る物流危機。次世代「DX倉庫」に挑むトップの覚悟とは
- 第2回:【組織変革とマインドセット】脱フォークリフト。常識を疑うボトムアップ型の組織変革に迫る
- 第3回:【解決策(SUPPOT導入)】130mの運搬を自動化。現場がSUPPOTを選んだ理由とは
- 第4回:【未来への展望(地域共創)】脱・自前主義。物流と製造が描く「地域共創」の未来図(本記事)
Q. お二人が大切にしている想いやビジョンのようなものがあればお伺いしたいのですが。
【費用対効果にとらわれない、次世代への挑戦】
浜松倉庫 中山代表取締役社長(以下:中山)
なかなか難しい質問ですね。(笑)会社の経営方針はもちろんあります。しかし、それ以上に社会変化が激しいので、そこに対応していくために新しいことをしていなければいけない、という想いが強いです。
今回の実験的な倉庫も、社内に新しいハードルを作ることで会社が成長し、生き残っていける実力がついていくと信じています。とにかく次の世代に渡す時まで、しっかりとした会社の形を作り続けるというのが社員へのメッセージになっているかなと思います。
これは、私たちが現代において実験的な取り組みができているのも先輩たちのお陰であるという実感があるからです。今まで浜松倉庫を支えてきてくれた先輩たちの実績があるので費用対効果ばかりに捕らわれず新しいチャレンジができますし、倉庫でリフトを使わないという、一見、割に合わなくて誰もやらないことに取り組めています。周りからはバカじゃないか?と言われる可能性も非常に高いのは理解していますが、その先に精密機器や医療機器などの新しい分野のお客様との出会いがあると確信しています。
Q. 自動車の部品メーカーなのにロボットを開発するという経営判断をされた石川さんにもお話伺ってみたいところです。
【「正解がわからないからやらない」が一番もったいない】
ソミックトランスフォーメーション 石川代表取締役(以下:石川)
そうですね。もちろん、ロボットを開発したのは私ではありません。ロボットを使って社会課題を解決したいという熱い想いを持ったメンバーが社内にいたのが重要だと思っています。
我々も5月で110周年を迎えるのですが、浜松倉庫さんと同じでソミックの先人たちがビジネスを成長させてくれて、メンバーが増え、熱い想いを持ってチャレンジをしてくれる。私は意思決定者として後押しをさせてもらっています。
やっぱり思うんですけど、 正解ってわからないですよね。 正解がわからないから何もやらないっていうのが、たぶん一番ダメでもったいないことではないでしょうか?失敗してもいい。成功させるまでやめなければ失敗じゃないという言葉もありますが、そんな経営判断をできればと考えながら事業を推進しています。我々両社だけでも共鳴するものがありますので、チャレンジを続けていれば人や物が動き始めて、そんな社会が広がっていくのではないかと思っています。
Q. 今回の浜松倉庫さんの都田倉庫に関しても両社が協力することで物流の未来の現場をつくる動きにもなっていると思います。「地域で連携することの意味」みたいなことについてはお考えはありますか?
【業界の枠を超えた「地域連携」で生み出す新たな価値】
中山:
浜松、もしくは静岡県、首都圏西部などエリアの解釈はいろいろありますが、少しずつ会社と会社が繋がっていくことが非常に大事な時代になっているのではないでしょうか?
昨今の経済的な活動においては、共同で事業を立ち上げるであったり、協業して何かを生産することに主眼が置かれがちでしたが、人事交流だけでもいいと思います。そういった緩やかな繋がりや協力体制が地域を良くしていくし、私たちを成長させてくれると思います。自社だけでなく外部からも学ぶことで社会により良い価値を生み出していく、それが浜松倉庫のここから5年10年のテーマなのかなという気がします。
Q. 石川さんはSUPPOT事業を通じて、製造業だけでなく物流業界や建設業界など、さまざまな業界との接点を広げていらっしゃいますよね。中山社長と同じ質問になりますが、地域が連携することで、どのような未来が見えてくるとお考えでしょうか?
石川:
実は、歴史を振り返ってみると、これらの地域連携の流れは決して新しいことではないと思っています。
浜松倉庫さんが創業された頃、そして私たちソミックが創業した頃、この浜松・静岡西部地域では、さまざまな新しい産業が次々と生まれていました。きっと当時も、今日のように地域の経営者たちが集まり、「どうやってこの時代を乗り越えていくか」「どう新しい価値を生み出していくか」を自然に語り合っていたのではないでしょうか。
その後、日本は右肩上がりの成長期を迎え、一つの産業に磨きをかけていくことで発展してきました。しかし、今はそれだけでは持続可能ではない時代になっています。
だからこそ、これからは業界や企業の枠を越え、それぞれの得意技を掛け合わせながら新しい価値を生み出していくことが必要です。
それはある意味で、百年以上前にこの地域の先人たちがやってきたことを、現代の形で再び実践しているのだと思います。
実際、今日のお話を伺っていても、「倉庫をこれまでとは違う発想でつくることで、こんな新しい価値が生まれるのか」と大きな刺激を受けました。そこに私たちの技術がどう組み合わさり、さらに新しい価値を生み出せるのかを考えると、本当にワクワクします。
こうしたコラボレーションから、浜松の次の時代が始まっていく。そんな可能性を強く感じています。
【現場のミカタ編集部より】
まさに、浜松の“次の100年”がここから始まっていく——そんな期待を感じるお話でした。
本日は、お二人から地域の未来、そして変革への想いについて貴重なお話を伺うことができました。ありがとうございました。
中山・石川:
ありがとうございました。
「正解がわからないからやらないのが一番もったいない」。今回の対談で特に心に残った言葉です。物流業と製造業、それぞれの立場で挑戦を続けるお二人のお話からは、変化を恐れず未来をつくろうとする強い意志が伝わってきました。地域企業同士のつながりから生まれる新しい価値が、浜松の次の時代を形づくっていくのかもしれません。
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